社会は刻々、変わり、価値観は時代を常に反映し、人々の生活様式は変わる。時代とともに変わりゆく髪風俗、髪文化に関する様々なお話です。
金紙七髷結(きんがみはねもとゆい)より
この章では髪がテーマになっています。
…我れ、いつとなく、人の形振り(なりふり)を見ならひ。当世の下島田(さげしまだ)、惣釣り(そうづり)といふ事を結い出し(いだし)。去る御かたへ、御梳(おかんあげ)に、みやづかひを、つかまつりける。…
『好色一代女』は、嵯峨の「好色庵」に住む老女(一代女)の懺悔録ともいえます。
江戸時代に詠まれた川柳を古川柳というらしい。
「おちゃない」は、『広辞苑』に「かもじを作るため落髪を買い歩く者。「おちゃないか」の呼び声から名づけられた。落買(おちかい)」とあります。
髪結も人の子です。人並みに休むときもあるし、歳もとります。
髪結を詠んだ川柳のなかに、十三日に関するものが何句かあります。
十三日は、十二月の十三日のことで、この日は正月にむけて煤払いなど大掃除をする日とされています。
安政から文久にかけての幕末期に活躍した歌川広景の代表作の一つに、「江戸名所道戯尽」があります。このシリーズには髪結床を描いた錦絵も含まれています。