2025-06-27

垢油の謎 再資源化の知恵? | 『浮世床』鬢五郎ばなし

 値段交渉の末、「おまへはほんとう。こっちは嘘よ」(原文のまま)と言い残して去っていった櫛吉に代わって、鬢五郎の髪結床にやってきたのは、股引姿の男でした。

2025-06-22

髪結床と商人の駆け引き | 『浮世床』鬢五郎ばなし

 令和の現在、理美容サロン業界の流通はインターネットが主流になりつつあります。しかし、ひと昔前まではディーラーの営業担当者が一軒一軒の理美容室に出向き、注文を受けて回るのが一般的でした。こうした光景はいまでも一部に残っていますが、徐々に過去のものとなりつつあります。

2025-06-19

江戸の髪結床と剃刀研ぎの関係 『浮世床』鬢五郎ばなし

 日本古来の和剃刀は、西洋で使われている両刃の剃刀とは異なり、片刃であるため比較的研ぎやすい特徴があります。素人でも、剃刀の斜面側を砥石に当てて研げば、切れ味が戻るといわれています。

2025-06-07

徳川将軍の「髪結い係」御髪番|朝食時に髷を結う

 徳川将軍の髪は、将軍に近侍する御小姓が整えており、「御髪番(おぐしばん)」と呼ばれていました。将軍に刃物を当てるという重要な役目だけに、大変緊張したことでしょう。

2025-05-20

幕末の理容事情:遣欧使節団を支えた二人の髪結い

 文久3年(1863年)に派遣された第二回遣欧使節団には、随員の髪を結う担当者が二人いたようです。

2025-05-16

江戸時代の髪結賃 『浮世床』に見る髪結賃と町との関係

式亭三馬が描いた『浮世床』では、髪結の料金が「32文」と記されています。これは、19世紀初頭の日本橋界隈にあった髪結床の実際の相場だったと考えられます。

2025-05-11

「腕より愛嬌」江戸の髪結文化|『浮世床』鬢五郎ばなし

 『浮世床』には、髪結の仕事について鬢五郎が語る場面があります。 弟子の留吉が外出している際、客人との会話で留吉の話題が出たあと、「髪結も辛い職だのう」と話を振られた鬢五郎が、その大変さを語りはじめます。