2021-05-17

明治11年、男の子の髪型は江戸期とかわらず?

 5月27日、イザベラ・バード女史は築地、吹上御所に出向きます。


明治政府が東京に設けた外国人居留地です。バード女史が見た築地は「活気がなくてわびしい」。また「外国式のホテル(おそらく築地ホテル)はお粗末でほとんど利用されていません」と描写しています。築地は、洋風化発祥地のひとつとされていますが、バード女史の見聞から、横浜には及ばなかったのがうかがえます。


吹上御所も訪れます。吹上御所はもともとは明暦の大火後、幕府が火除け地として日本庭園に整備していましたが、明治維新で荒廃。明治11年当時の吹上御所は、日本庭園が復興されていました。

そこでバード女史は男の子の特異な髪型を紹介しています。前髪ともみ上げの一部を残して剃る髪型で、江戸時代からある男の子の髪型です。明治11年はまだ江戸の風俗、風習が色濃く残っていました。

ただし、前後の文章から日本の風俗の一つとして紹介した可能性も否定できませんが。


『イザベラ・バードの日本紀行』第四信より(講談社、上巻67P)


参考・『イザベラ・バードの日本紀行』


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