2025-10-17

「月代の質入れ」とは? 江戸末期に見られた庶民の知恵

 三田村鳶魚の『江戸ッ子』には、江戸末期の一枚摺り『そこが江戸』に記載された「月代の質入れ」という言葉が紹介されています。

『そこが江戸』は、江戸末期の流行りものを紹介した一枚摺りであると、鳶魚は解説しています。内容は食べ物から文身(彫物)、商売、「小便無用の稲荷」など、さまざまな流行を取り上げており、その中に「月代の質入れ」という項目があります。


鳶魚は「質屋に請け出すまでは月代を剃らないこと」と解説しています。つまり、月代を剃らないことを約束して金品を借り、返済を終えたのちにようやく月代を剃ることが許される、という仕組みだったようです。また、「雲助が褌を質に入れるのと同じこと」とも述べています。


さらに鳶魚は、「月代の質入れ」で金を借りるのは職人の手合いが多かったと説明しています。江戸の裏店に暮らす、質入れできる物を持たない貧しい人々が利用していたようです。一枚摺りに記載されるほどですから、多くの庶民が「月代の質入れ」を行っていたのかもしれません。


『そこが江戸』に紹介されている流行りものの中には、「わ印」といった興味深い項目もありました。面白そうなので検索してみましたが、残念ながら関連する資料は見つかりませんでした。


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