2025-01-15

「篦頭舗」は髪結床、「篦頭」は丁髷

「篦頭舗」は髪結床、「篦頭」は丁髷を意味します。

「篦」という字は、ヘイ、ヒラ、ヘラなどと発音しますが、梳き櫛のことです。梳き櫛以外にも、かんざし、ヘラなども意味もあります。

もともとは「竹切れを細長く平たくしたもの」だそうです(『漢字辞典ONLINE』)。


「篦頭舗」「篦頭」は江戸時代後期から明治にかけて使われたようで、当時発行された書籍に使用されています。


天保期(1830〜44)の江戸の繁栄ぶりを皮肉たっぷりに記述した『江戸繁盛記』(寺門静軒、1832〜36年刊)に「篦頭舗」がでてきます。式亭三馬の『浮世床』をパクった一文ですが、「篦頭舗」と書いて解説書は「かみゆいどこ」とルビをふっています。当時「篦頭舗」と書いて、「かみゆいどこ」と読ませていたようですが、もしかしたら「へらずみせ」と言っていたかもしれません。

「篦頭」は「へらず」とも読みますが「ちょんまげ」のことです。

明治期に著された『幕末の江戸風俗』(塚原渋柿園)にも登場します。


髪結は細長く削った梳き櫛で髷を結っていたことから「篦」の字が髪結、丁髷をイメージして使われたようです。


前回紹介した「剃師」と同様です。

https://kamiyoroku.blogspot.com/2025/01/blog-post_14.html


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「篦頭舗」は髪結床、「篦頭」は丁髷

「篦頭舗」は髪結床、「篦頭」は丁髷を意味します。