2024-07-03

「髪切はやる」は髪フェチの仕業か?

 「元禄中、髪切はやる」のタイトルで、『武江年表』(斎藤月岑、今井金吾校訂、ちくま学芸文庫)の一文について、髪切りの意味が不明、という趣旨で紹介しました。

実は、この髪切り、元禄以外にも数回、同様の記載が『武江年表』にあります。


この髪切りについて、三田村鳶魚さんが『江戸っ子』で記述しているのを見つけました。

同著の「女に大騒ぎ」という見出しで、江戸っ子の美人というわれる女性への反応などを記述しています。その中で、お触りや雪隠覗きなどのいまでいう迷惑行為の一つとして髪切りがあった、と紹介しています。珍しく出典を明らかにしていて、『大江戸春秋』の引用としています。


ところが『大江戸春秋』の詳細は不明です。ちなみに『大江戸夫婦春秋』という小説がヒットします。


髪切りはやる、は三田村先生の説では、髪フェチによる迷惑行為になります。

どのようにして髪を切ったのかは不明ですが、気になる女性にそっと近づいて素早く切った? 切られた女性の髪はほつれて乱れたかもしれません。なんとも迷惑な話です。


三田村先生が語る江戸っ子は、行儀はよくないし、空威張りなくせに意気地なし、口は達者だけど中身がない、しかも女性に対しては迷惑な存在だった、ようです。


元禄中、髪切はやる

https://kamiyoroku.blogspot.com/2024/04/blog-post.html

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爪紅 「つまべに」「つまくれない」

 いまネイルアートは、爪というごく狭い世界の芸術作品ともいえる存在です。その技法、器具、用剤も日々進歩し、次々と新しく意匠を凝らした作品が誕生しています。