2024-06-14

理容=男性、美容=女性 という昭和の不文律

 不文律とは、「暗黙の了解事項」「暗黙のルール」、辞書には「成文化されていないが、成文法に準ずる効力を持つ規則・習慣」などとあります。

昭和の時代は、職場の女性が来客にお茶を出したり、会社によっては男性社員より早く出社して机回りを清掃したりしていました。また社員旅行というのがあって、旅先で上司に酒をつだりもしていました。多くは暗黙のルールでした。

男性にとってはいい時代でした!?


男女の性差による不文律の一つともいえ、男尊女卑の残滓のような不文律といえます。


理美容の業界では、理容と美容の業権闘争からパーマ戦争というのが昭和の時代、勃発して、結局、自民党の代議士が仲裁し、美容はパーマは男女にできるが、男性のカットはしてはいけない、理容はカットは男女にできるが、パーマは女性はダメで、男性には限定的にしてもよい、ということでまとまりました。


カットとパーマネントに関しては、理容も美容もやっていることはほぼ同じです。男女客によって施術内容を変えたのは、理容=男性客、美容=女性客という暗黙の了解があってのことと思われます。


この内容の局長通知が発出されたのは昭和53年(1978年)のことです。

21世紀にはいるとジェンダーフリーの流れが世界的に広まり、男女の性差による差別は極力しないようになりました。


昭和53年の局長通知を廃止する通知が発出されたのは、37年後の平成27年(2015年)になります。平成10年ごろから日本でも性差別の撤廃がすすみ、53年通知を疑問視する意見はありましたが、撤廃されたのは遅かった。

企業の社内や家庭内での不文律ならともかく、国の通知としては恥ずかしいほど遅い。


もっとも、この通知に実効性があったかについては疑問で、指導を受けたのは37年間で3件ほどしか承知していません。離島の美容室などで、指導したのはよほど暇な保健所だったのでしょう。

平成の時代には、都会地ではメンズカットを行う美容室が繁盛していました。これらの美容室が表立って指導されたという話は知りません。

早い話、政令や省令と違い民意を反映しない通知は行政にとって軽いのかもしれません。


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爪紅 「つまべに」「つまくれない」

 いまネイルアートは、爪というごく狭い世界の芸術作品ともいえる存在です。その技法、器具、用剤も日々進歩し、次々と新しく意匠を凝らした作品が誕生しています。