2022-06-24

髪結床の風景

 髪結を詠んだ川柳のなかにはなかなか情緒のあるものもあります。

髪を結う内に一寸程積り (明八桜2)

髪結床で髪を結ってもらうあいだに雪が少し積もった、という江戸の町の冬の情景を詠んだ川柳です。川柳ではなく俳句としてもいいような気がしますが、髪結がからむと川柳になってしまう。

髪結床の客は町内の独り者が多い。雪がちょっと積り、岡場所に出かけて遊女に温めてもらいたい、そんな情景になってしまうのです。


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「江戸名所道戯尽」(歌川広景)に見る髪結床の風景

 安政から文久にかけての幕末期に活躍した歌川広景の代表作の一つに、「江戸名所道戯尽」があります。このシリーズには髪結床を描いた錦絵も含まれています。