戦国時代の武将を描いた武将図が浮世絵のひとつの題材になっています。なかでも武田二十四将図がよく知られています。
武田二十四将図は多くの絵師が描いていて、描かれている武将も、絵によって人数も違い、二十二将・十四将・十二将などもあります。武田信玄以外にも、徳川家康や上杉謙信といった有名な武将を中心にした武将図もあります。
掲載したのは武田二十四将図のひとつです。たいていの武田二十四将図はこの絵柄です。
注目したいのは、兜や丸頭巾、柔烏帽子のような布製の被り物を装着している武将は別にして、残りの10人の武将は露頂です。その露頂の10人の武将は、いづれも大月代に描かれています。
戦国時代に男性の頭髪風俗は大きく変わりました。それまでの冠や烏帽子を被る風習が廃れ、月代にする風習に変わりました。この絵は、頭髪風俗の変遷を的確に描いているのかもしれません。
とはいうものの、武将図は江戸時代になって描かれたものです。江戸時代中期、後期のもが多く、戦国時代の武将の子孫が絵師に描かせたといわれてます。風俗の記憶は時間が経過するとあいまいになります。戦国武将の頭髪風俗を正確に描くことは難しい。絵師の想像が入っている可能性は否定できません。
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