2021-09-29

日本髪に不向きなクセ毛

 日本髪は、直毛の日本人ならではの髪型文化といえます。日本髪はなでつけた髪の表面の美しさがポイントですが、それは直毛だから可能なのです。



ところが日本人の何%かはカール状の強いクセ毛の人がいます。江戸時代、日本髪を結うのに大変苦労した話が残っています。クセ毛だと結うのが大変ですし、結ってもすぐに波打ってしまうのです。粘性の高い松脂を多く配合した鬢付け油を使って髪を結っても、時間が経つとカールが出て、台無しになってしまったといいます。

日本人の100人に7、8人はクセ毛の人はいるらしい。ウエーブ状の緩いクセ毛の人は加齢によっても増え、さらに多い。


『読売新聞』(2021年9月19日付)に「日本人の3つのルーツ」の見出しで、遺伝情報を分析して、縄文人、北東アジア人、東アジア人の3つのルーツを、時代による比率の変化を解明した研究成果が掲載されていました。


それによると、紀元前300年ごろまでは縄文人が日本列島の住人でしたが、紀元前300年から紀元後300年ごろの弥生人は縄文人の遺伝子が6割、北東アジア人の遺伝子が4割になり、300年から600年ごろまでの古墳時代は縄文人の遺伝子は15%まで下がり、東アジア人の遺伝子が6割になるといいます。

現代人は古墳時代の住人よりは、やや東アジア人の比率がが増え、縄文人の比率がやや減っていますが、ほぼほぼ古墳時代から変わっていません。


つまり現在の日本人は10%~15%の縄文人の遺伝子を持っているらしい。江戸時代も変化はなさそうです。


金沢大の考古分子生物学の研究者が縄文人、弥生人、古墳時代の人の人骨計17体を解析した結果です。

標本数が少ないので確定的なことはいえませんが、おそらく縄文人はクセ毛の人が半数程度いたのではないでしょうか。

断定はできませんが、なんとなく納得できる話です。


ここまでは遺伝子情報にもとづく日本人の起源を解明する話ですが、そもそも縄文人はどこからやってきたのか、そしてどんな特徴があるのかについては、いろいろな学説があって、いまも解決していないようです。


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