ほとんどの哺乳類は獣毛で全身がおおわれています。獣毛は、外部の衝撃を防ぎ、体温を保ちます。猿やゴリラなどの類人猿は獣毛がありますが、ヒトは頭髪、腋毛、陰毛など濃い毛は残しているものの獣毛は捨て、繊毛の体毛でおおわれています。
進化の過程でヒトは獣毛を捨て去りました。
ヒトは二足歩行します。二足歩行することが脳の発達を可能にしたといわれています。両手も自由に使えるようになります。ヒトが道具を使い、言語を操るようになれたのは、脳が発達したからです。
ところが脳は高温に弱い。ヒトが運動すると体温が上がります。短時間なら問題ありませんが、長時間運動すると脳に障害を起こす可能性があります。
ヒトは体温が上昇するのを防ぐために獣毛を捨て、さらに発汗することで体温を下げる仕組みを得ました。
哺乳類で発汗するのはヒトのほかに馬が知られています。馬も長時間、走ることができます。他の哺乳類は、たとえば犬は舌、像は耳に風を当てて少しでも体温を下げるようにしていますが、人や馬の発汗機能による体温管理には及びません。発汗機能は優れたラジエータといえます。
ヒトは、二足歩行をするようになり、獣毛を捨てることで、その後の進化につながった、といえます。
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