2020-12-01

櫛まつり 時代風俗行列巡行

 京都は、日本の伝統文化の都です。髪に関しても、京の都は長い間、中心でした。

平安遷都(794年)から江戸時代中期まで、髪文化の中心は京でした。その後は大坂の比重が増し、江戸時代後期は江戸と、京・大阪の上方とが並立するかたちで、それぞれが違った味わいの髪文化を形つくっています。

明治維新後の東京遷都にともない、文化の中心は東京に移ってしまいましたが、千年を超える伝統はいまだに、京の都に息づいています。


その一つが、毎年9月の第四月曜日に行われる「櫛まつり」です。安井金比羅宮(東山区東大路通)の境内北側に久志塚(櫛塚)が、昭和36年9月に建立されたのを機に毎年、午後1時から神事、2時から時代風俗行列巡行のイベントが行われます。


神事では、櫛塚前での祭事、使い古した櫛や簪を塚へ納めたあと、拝殿で舞踊「黒髪」の奉納舞が行われます。


時代風俗行列巡行は、地元の美容師さんらで組織する、京都美容文化クラブのメンバーが、伝統の髪型を結い上げ、安井金比羅宮の周辺、祇園界隈を練り歩きます。


時代考証に基づき、古墳時代、奈良時代、平安時代、鎌倉時代、安土桃山時代、江戸前期、江戸中期、江戸後期、明治時代、大正時代に扮したモデルさんと、現代の舞妓さんが歩き時代絵巻を繰り広げます。


モデルさんは、4、50人ほどですが、かつらではなく、モデルさんの長い地髪で結い上げるのは、さすが京都です。


毎年、大勢の人がカメラを手に時代風俗行列を追いますが、やはり人気なのは現代の舞妓さん(これは本物の舞妓さん)とのことです。


残念ながら今年(2020年)はコロナウイルスの影響で、神事のみで時代風俗行列巡行は行われませんでした。


髪にかかわるイベントとしてはビッグなのですが、残念ながら京の文化は幅広く、奥行きが深い。他にも超ビッグなイベントが目白押しなので、ややもすると埋もれてしまっています。髪に興味のある人はぜひ見学ください。

(雨天の場合も中止です。)


ヒゲを当たる

 「ヒゲを剃る」ことを「ヒゲを当たる」ともいいます。