「メルケル」というと16年間ドイツの首相をつとめたアンゲラ・メルケルさんを思い起こす人が多いのではないでしょうか。フリードリヒ・メルケルというりドイツの解剖学者が発見した、皮膚表皮に存在するメルケル細胞もあり、この細胞が老化に関係しているらしい。
皮膚は、いろいろな役割がありますが、触覚、温覚の感覚器官でもあります。メルケル細胞は触覚をつかさどる細胞で、脊椎動物の皮膚にみられます。ところが、このメルケル細胞、触覚だけでなく嗅覚としても反応するのが、資生堂とドイツ・モナステリウム研究所との研究でわかりました。(*)
サンダルウッド様(白檀のような)の香りを持つ香り成分に反応し、メルケル細胞が活性化する、とのことです。しかも、このメルケル細胞、加齢とともに減少することがわかっていて、この細胞を活性化させることで老化防止が期待できる、といいます。
皮膚感覚という言葉があります。朝、陽の光を全身に浴びると、元気に目覚められるのがよく知られています。もしかしたら、皮膚には陽の光を感知する機能があるのかもしれません。今回の匂いに反応する皮膚表皮の細胞があることが証明されたことは,感覚器官としての皮膚の奥深さを感じさせます。
ヒトをはじめ哺乳類の感覚には触覚、温覚のほかに嗅覚、視覚、聴覚、味覚などがありますが、いずれの器官ももとは皮膚の上皮細胞が変化した細胞でできた器官です。それぞれ独立した器官として機能していますが、皮膚にはその残滓にちかい細胞が存在していてもおかしくありません。
皮膚のことを六番目の臓器と呼ぶ人がいます。それだけヒトにとって重要な役割をはたしているからでしょう。皮膚が変化してできた毛髪、体毛は、身体にとって重要な皮膚を守る役割を果たしています。物理的な刺激から保護するだけでなく、毛孔から分泌される皮脂は、汗とまざりあって天然保湿因子(NMF)として皮膚を健康な状態に保っています。
ヒトの進化は神秘的で素晴らしい。
(*)香り成分が皮膚のメルケル細胞を活性化させ、老化防止の可能性も
https://ribiyo-news.jp/?p=36575
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